シェアを構成する公平と平等の話

シェアリングエコノミーと呼ばれるサービスの普及に伴い、シェアについて考える機会が増えてきた。

僕自身もシェアの考え方に可能性を感じ、お金を介さない資産共有プラットフォームnukumoの運営を行っている。

同じシェアという言葉を使っていても、普及をみせるシェアリングエコノミーのサービスであるUberやAirbnbと僕らが運営を行っているnukumoでは全く思想が異なる。

今後ますますシェアリングエコノミーが普及するなかで、同じシェアという言葉でも、サービス思想の違いはどんどん顕著になっていくだろう。シェアリングエコノミーに該当するサービスを全て一つのくくりで扱うのは限界に来ている。

公平なシェアと平等なシェア

シェアを考えるとき、僕は公平に分けるか平等に分けるか、を意識する。

公平と平等は大きく異なる言葉であり、詳細はこの記事がとても分かりやすい。
公平と平等の意味の違いは非常にややこしいが、公平とは結果が平等であると考えると分かりやすくなる。

公平なシェア:シェアハウス

シェアハウスの多くは、オーナーが所有権を持っており、その所有している部屋を貸し出してお金を得るモデルである。また、部屋を借りている人は一般的には部屋の大きさなどに応じ公平な賃貸を支払う。

すなわち、公平に分けるというシェアの形である。
この場合だと、支払った家賃が同じであれば同じ部屋を提供するので、結果は平等であり公平という解釈です。

平等なシェア:同棲生活

同じ金額の賃貸を支払っているカップルの同棲生活は、平等に分けるというシェアの形に分類される。

仮に、平等に賃貸を支払っているんだから、ここのスペース使い過ぎ!なんて言い始めたら、それは平等ではなく支払った賃貸に対する公平性を求めているので、平等なシェアには分類されない。

重要なのは、権利(スペースの利用範囲)に関わらず 支払う賃貸料が平等なケースを平等なシェアとしている。

公平と平等が入り混じった生活

僕らは、公平なシェアと平等なシェアをどちらも日々体験している。

飲みの割り勘も良い例だろう。
食べる量、アルコールを飲む量、を考慮して割り勘の額を決める場合は公平なシェア、そうではない場合は平等なシェア、である。

挙げればキリがないくらい僕らの生活には公平なシェアと平等なシェアが入り混じっており、そのどちらを選択するかは人間関係に大きく依存するように思う。

例えば、一眼レフのカメラをタダで貸すのは平等なシェア(過去にお金を出して払ったということを考慮してないため)だが、壊れても弁償してくれるだろうなどの信頼関係がないと難しい。

シェアには信頼関係は重要だが、その中でも平等なシェアにはより強い信頼関係が求められる
家族間のような強い信頼関係がある人とは公平なシェアが多く、そうではない人とは平等なシェアを行うケースが多い。

公平と平等なシェアの両立

近年、普及を見せるUberやAirbnbで行われているシェアは、公平なシェアだ。
一方で、nukumo内で行われるシェアは、平等なシェアだ。

これらの二つは対にある存在ではなく、両方を自分の環境などに応じ自由に使い分けることが重要だと考える。

お金を担保に信頼する公平なシェア

UberやAirbnbを代表とするシェアリングエコノミーのサービスでは、貸す側は提供するものに応じ値段を設定し、その価値が妥当と判断した場合、借りる側は設定されたお金を支払う。そして、その一部を手数料としてサービス提供者が徴収する。

とても公平な仕組みで、提供価値に応じたインセンティブ設計がしっかりされている。なお、手数料の額が大きいことなどによる不公平といった議論は話をややこしくするので、ここでは妥当な手数料をとっているものとする。

公平なシェアの特徴は、お金を担保に貸す側の信頼を行う点、にある。お金でなくモノや情報でも良いだろう。重要なのは、信頼を何かを担保に行う点である。

UberやAirbnbでは知らない人とシェアを行う。
知らない人なので何も担保なしに信頼を行うのは難しい。なので、これらのサービスではお金を払うことで、何かトラブルが起こった時への信頼を行う。お金以外にもレビューなど各社工夫を行っている。

信用を担保に信頼する平等なシェア

一方、平等なシェアは貸す側は信用を担保に信頼される。信用と信頼の違いは、前者は過去、後者は未来に対しての言葉である点。

シェアを行う上では、公平、平等に関わらず相手への信頼が不可欠である。この信頼の担保を構成するものが平等の場合は、信用である。
だからこそ、平等なシェアは近いしい間柄の人と行うことが前提となる。

僕らが作っているnukumoは、平等なシェアを行うプラットフォームである。
平等なシェアはお金を担保にする必要がないので、モノやスキルのシェアを通じて、生活に必要なコストを下げていくことができる。

詳しくは、以下の記事を読んでほしい。

どちらも必要なシェアの形

UberやAirbnbは公平なシェア、nukumoは平等なシェア。
そして、nukumoのが公平ではなく平等なので優れている、なんて議論をしたいわけではない。

どちらのシェアの形も必要であり、必要に応じて自由に使い分ければ良いと思っている。
現にUberやAirbnbは新たな雇用機会を生んだり、宿泊施設が不足している課題を解決している。nukumoに関しても、シェアを通じ生活コストが下がった事例が生まれ始めている。

これらは、互いに解決する課題も異なれば、そもそも目指している思想も異なる。似て非なるもの。

どちらが良いという話ではなく、ユーザーが何をしたいか、誰とするか次第でシェアの形も変わってくるので、公平、平等どちらの思想のプラットフォームも存在してよい。

少なくとも僕は、平等なシェアができる家族のように信頼できる仲間を増やしていくことは幸せに繋がると考えているので全力でnukumoの成長にコミットしていくが、公平なシェアのサービスも受ける恩恵は大きいので有難く使っていく。

さいごに

同じシェアでも公平なのか、平等なのか、性質は大きく異なる。
それを理解したうえで議論することが、今後シェアリングエコノミーの普及に伴い様々なプラットフォームが登場してくる時代には重要だと感じ記事にまとめた。

それに伴い、似て非なる考えが生まれると対立させたがる傾向があるが、シェアにおいてはその必要性は全くなくどちらも必要なシェアの形である。

互いに思想が異なるだけで、立派なシェアの在り方だと思う。
シェアには大きな可能性があるので、今後ますますシェアリングエコノミーが普及することを祈っているし、nukumoを通じ少しでもシェアの機会を増やしていきたい。