青山学院大学で3年目となるゲスト講義を担当させていただいた。今年も90分の1コマを任される中、これまでの経験を活かしつつ、学生をどう惹きつけるかを試行錯誤した結果、手応えを感じる瞬間があった。一方で、まだまだ課題も見えた3年目の講義。その工夫と気づきを振り返る。講義1年目──自由なチャット形式が生んだ「予想外の結果」青山学院大学で初めて講義を担当した1年目。「学生との双方向のコミュニケーションを作りたい」 と考え、チャット形式を取り入れた。リアルタイムで意見を書き込んでもらい、参加を促す狙いだったが、実際には予想外の結果に。真剣な回答もあったが、ふざけたコメントや意図的にふざける学生も目立ち、授業の方向性が揺らいでしまった。「自由なやり取りだけでは、興味を引き出すのは難しい」1年目はそんな反省の中で幕を閉じた。講義2年目──「AI×ディスカッション」で新しい試み2年目はさらに一歩進めて、AIを活用したディスカッション形式を導入した。AIと学生の対話で進める授業トークテーマを学生に与え、意見をもらう学生の意見をAIに投げかけ、AIが考えた回答を返すそのAIの回答を元に、再び学生たちと議論するこの形式は新鮮で、AIの回答に対する学生たちの反応も良く、一定の盛り上がりを生んだ。しかし、その一方で「面白い」で終わってしまう感覚も強く、学生自身の主体的な学びに繋げるには不十分だった。講義3年目──「掴み」と「緊張感」で学生の集中力を高める迎えた3年目の今年は、オーソドックスな授業形式に立ち戻った。ただし、2つのポイントに強く意識を置いた。1. 掴みで興味を引く最初の数分で学生に興味を持たせなければ、90分は長く感じる。そこで、僕自身のAIの仕事を具体例に出し、「AIでこんなことができる」という話題から授業をスタート。学生に「面白そう」と思わせることで、自然と耳を傾けてもらえた。2. 緊張感のあるディスカッションディスカッションのアウトプットは必ず全体で共有し、僕が指名して発表してもらうスタイルを取り入れた。「いつ当てられるかわからない」という適度な緊張感が、授業への集中力を高めてくれた。結果として、これまでの講義の中で一番手応えを感じたものの、本気で取り組んでいると感じたのは3割程度だった。3年間の講義から見えた「工夫」と「課題」3年間を振り返ると、講義の工夫は年々進化してきたものの、学生全体の興味を引き出すのは簡単ではないと感じる。特に重要なのは、学生が自分ごととして授業に参加できる仕掛けだ。「面白い授業」だけでなく、「主体的に考え、発言する場」を作ることが今後の課題だと感じている。最後に──次への挑戦今年の講義は、これまでの経験を活かし、一定の手応えを得ることができた。しかし、全体の意識をもっと高めるためには、まだまだ工夫が必要だ。もし来年も機会をいただけるなら、学生全員が「本当に面白かった」と言ってもらえる講義を目指して、さらに挑戦していきたい。本記事は、コラム記事の達人を使い10分程度で作成しています。コラム記事の達人とは、nukumo社が運営する業務改善ツールTATSUJINの一つです。