こんにちは、おぐりんです。これまでの記事では「アイデアを実現するためには、目的の明確化・分解・継続の3ステップが大事」という話をしてきました。そして今回は、その中でも特に重要な “目的”をどう明確にするか に焦点を当てて、さらに掘り下げていきます。「目的がない」と感じるあなたへ──目的は“意味”の発見から始まるアイデアを実現しようと思った時、「そもそも自分の目的って何だろう?」と手が止まってしまう人も多いのではないでしょうか。実はこの“目的”というのは、自然と浮かんでくるものではなく、自分自身で意味を見出し、定義していくものなんです。目的がない、見えないという人は、「目標はあるけど、意味づけができていない状態」であることが多いです。では、意味づけとは何か? そのヒントとして、まず有名な「イソップ童話」の話をご紹介します。3人のレンガ職人に学ぶ、“意味の違い”が生み出す行動の差中世ヨーロッパのある町で、3人のレンガ職人が建築現場で作業をしていました。通りがかった旅人が「君たちは何をしているの?」と尋ねたところ、3人の答えはそれぞれ違っていたと言います。Aさん:「親方に言われてレンガを積んでいるんだ。暑くてしんどいよ」Bさん:「壁を作っているんだ。お金がいいからやってるんだよ」Cさん:「後世に残る大聖堂を作っているんだ。この仕事に携われて誇りに思うよ」3人とも“レンガを積む”という同じ作業をしています。でも、彼らの目的はまったく異なります。Aさんには目的がなく、ただの義務として働いている。Bさんは報酬を目的にしていて、より条件の良い仕事があれば移る可能性があります。そしてCさんは、社会貢献という明確な意味を自分で見出しており、誇りと喜びを持って仕事に向き合っているのです。この話が示しているのは、「目標と目的は違う」ということ。目標は“何をするか”で、目的は“なぜそれをするか”。「目的 = 目標 + 意味」── だから“意味づけ”が超重要ここで目的をこう定義します。目的 = 目標 + 意味目標は外部から与えられることもありますが、意味は常に自分の中からしか生まれません。つまり、目的は他人が決めるものではなく、自分が意味を見出して完成させるものなのです。同じ仕事をしていても、意味があると感じられるかどうかで、行動や感情は大きく変わります。そしてこの“意味づけの力”を説明する上で、心理学の「ABC理論」が役立ちます。ABC理論──出来事の捉え方がすべてを変えるABC理論とは、心理学者アルバート・エリスが提唱した認知行動理論の一つで、以下の要素で構成されます。A(Activating Event)= 出来事B(Belief)= 出来事に対する信念や捉え方C(Consequence)= 感情や行動の結果例えば、「上司に怒られた」という出来事があったとしても、それを「自分はダメだ」と捉える人もいれば、「成長のチャンスを与えられた」と捉える人もいます。このBの部分(捉え方)が変わることで、その後のC(感情・行動)が180度変わるのです。イソップ童話で言えば、レンガ積みという“出来事”に対して、Cさんは「社会に貢献している」という意味を見出すことで、誇りと意欲を持って働いていました。目的が変われば、人生の解像度も変わる「なんとなく働いている」「今の仕事に意味を感じられない」という状態は、実は目的が“自分ごと”になっていないから。誰かに与えられた目標に、自分なりの意味を重ねることで、初めてその仕事が自分の目的になります。そして、目的があると以下のような変化が起こります。日々の行動に一貫性が出る困難に対して粘り強くなれる自分の選択に自信が持てる最後に:目的は“自分で意味をつけていい”「何のために働いているのか?」「このアイデアを実現することで、自分はどうなりたいのか?」その答えに“正解”はありません。大切なのは、自分がどう意味づけするか。そしてその意味が、自分にとって納得のいくものかどうかです。*目的は、自分だけの人生をデザインするための道しるべ。*ぜひ、あなたなりの意味を見出してみてください。次の記事では、「目的を具体的にどう見つけるのか?」についてさらに深掘りしていきます。