こんにちは、おぐりんです。行動を阻むものが、行動を進める。道を塞ぐものが、道になる。マルクス・アウレリウスが『自省録』に記したこの言葉は、僕にとって“生成の途中”にいる人へのエールのように響きます。壁にぶつかる。足が止まる。迷う。でもそれって、本当に悪いことなんでしょうか?もしかしたら、そこでこそ新しい道が始まるのかもしれない。慣れた回路から抜け出すのは、脳にとって「ストレス」脳には「神経可塑性(かそせい)」という仕組みがあります。これは、習慣や思考を繰り返すことで、神経のつながり(=回路)が強化されていく現象。つまり、慣れたやり方・慣れた考え方ほど、脳は“楽”に働ける構造になっているんです。でも、新しいことに挑戦しようとすると、この“楽な回路”を脱する必要がある。そこで負荷がかかる。これが、ストレスの正体なんですね。僕自身もそう。やっぱり慣れた環境やスタイルに戻りたくなる。新しいことをやろうとすると、すごくエネルギーを使う。それは決して甘えではなく、脳の構造として当然なんです。ストレスは、脳が「再配線」を始めたサイン面白いのは、こうしたストレスを“敵”として扱うか、“成長のサイン”と見るかで、行動の質が変わってくるということ。たとえば僕は今、「人との関わり方」を見直している真っ最中です。昔は、「自分のビジョンを実現するために、人を動かす」ような関わり方をしていました。時には強制力を使うようなマネジメントもありました。でもそれだと、本当にやりたいことが広がらなかった。僕も苦しかったし、相手の熱量も長続きしなかったんです。だから今は、「相手が能動的に関われる関係性」を育てようとしています。自分の想いを押し付けるんじゃなくて、「共に創っていく」スタンスへと、少しずつ変えているところです。でも、正直ストレスもある。昔のやり方のほうが、やっぱり速い。一人で進んだほうが楽なこともある。でも、それって最適化された“古い回路”なんですよね。遅くても、いびつでも、いま僕がやっているのは「新しい神経回路を育てるプロセス」なんだと思うようにしています。Brain Activityと、関係性のトレーニング弊社で過去に取り組んだBrain Activityというプログラムでは、「脳の神経可塑性」を運動やトレーニングの文脈で活用してきました。Brain Activityの代表のエフィさんの理論では、「認知・判断・実行」の速度は、“脳の再配線”によって加速するというものでした。参考記事:https://footballcoach.jp/reports/events-20220923・見慣れない動きに挑戦する・慣れていない反応を求められる・予測不能な状況で判断するこうしたストレスを丁寧に乗り越えていくと、脳の中に新しい道筋ができる。結果として、プレーの質や判断の速さが格段に上がっていくんです。この理論を聞いたとき、「あ、これって人との関係性でも同じだな」と思ったんです。人間関係のなかで、神経を再配線する僕がいま感じているのは、「マネジメントの再定義」の必要性。これまでは「どう動かすか」が中心だったけど、これからは「どう共鳴するか」に軸を移したい。・言い切らない・相手の感情を聴く・正解より、生成を優先するこれらは、僕にとって“慣れていない”対応です。だからこそ、うまくできないこともある。もどかしさもある。でも、この「うまくできなさ」が、新しい関係性の回路を生んでくれる気がしてるんです。これはまさに、アウレリウスの言う「道を塞ぐものが、道になる」だと思う。いまの僕の“関わりの詰まり”は、次の関わり方を発明するための素材なんです。ストレスに、名前を与える最後に、こんなことを考えてみました。これまで僕は、行き詰まりや不安を“ストレス”と呼んできた。でももし、それを「神経の再配線」や「更新の摩擦」と呼んだら?少しだけ、受け取り方が変わる気がしませんか?名前を変えるだけで、現象の意味が変わることがある。だから僕は、これからこう呼ぶことにします。「生成の摩擦」速さより、しなやかさへ。力で動かすより、共に生成する。そうやって一つひとつ、関係の在り方を再構築していく旅の途中に、僕はいまいます。あなたの中にある「最近の摩擦」は、どんな再配線の入口かもしれませんか?