menu

好きなことをやる。全部やる。

OGURIN.com

1992年8月9日、福岡県生まれ。
一般社団法人nukumo代表理事。

ストレスは再配線の合図──人との関係を神経可塑性で読み解く

公開日: 2025/10/17

こんにちは、おぐりんです。

行動を阻むものが、行動を進める。道を塞ぐものが、道になる。

マルクス・アウレリウスが『自省録』に記したこの言葉は、僕にとって“生成の途中”にいる人へのエールのように響きます。

壁にぶつかる。足が止まる。迷う。でもそれって、本当に悪いことなんでしょうか?
もしかしたら、そこでこそ新しい道が始まるのかもしれない。

慣れた回路から抜け出すのは、脳にとって「ストレス」

脳には「神経可塑性(かそせい)」という仕組みがあります。
これは、習慣や思考を繰り返すことで、神経のつながり(=回路)が強化されていく現象。
つまり、慣れたやり方・慣れた考え方ほど、脳は“楽”に働ける構造になっているんです。

でも、新しいことに挑戦しようとすると、この“楽な回路”を脱する必要がある。
そこで負荷がかかる。これが、ストレスの正体なんですね。

僕自身もそう。やっぱり慣れた環境やスタイルに戻りたくなる。新しいことをやろうとすると、すごくエネルギーを使う。それは決して甘えではなく、脳の構造として当然なんです。

ストレスは、脳が「再配線」を始めたサイン

面白いのは、こうしたストレスを“敵”として扱うか、“成長のサイン”と見るかで、行動の質が変わってくるということ。

たとえば僕は今、「人との関わり方」を見直している真っ最中です。
昔は、「自分のビジョンを実現するために、人を動かす」ような関わり方をしていました。時には強制力を使うようなマネジメントもありました。

でもそれだと、本当にやりたいことが広がらなかった。僕も苦しかったし、相手の熱量も長続きしなかったんです。

だから今は、「相手が能動的に関われる関係性」を育てようとしています。自分の想いを押し付けるんじゃなくて、「共に創っていく」スタンスへと、少しずつ変えているところです。

でも、正直ストレスもある。昔のやり方のほうが、やっぱり速い。
一人で進んだほうが楽なこともある。

でも、それって最適化された“古い回路”なんですよね。
遅くても、いびつでも、いま僕がやっているのは「新しい神経回路を育てるプロセス」なんだと思うようにしています。

Brain Activityと、関係性のトレーニング

弊社で過去に取り組んだBrain Activityというプログラムでは、「脳の神経可塑性」を運動やトレーニングの文脈で活用してきました。

Brain Activityの代表のエフィさんの理論では、「認知・判断・実行」の速度は、“脳の再配線”によって加速するというものでした。
参考記事:https://footballcoach.jp/reports/events-20220923

・見慣れない動きに挑戦する
・慣れていない反応を求められる
・予測不能な状況で判断する

こうしたストレスを丁寧に乗り越えていくと、脳の中に新しい道筋ができる。結果として、プレーの質や判断の速さが格段に上がっていくんです。

この理論を聞いたとき、「あ、これって人との関係性でも同じだな」と思ったんです。

人間関係のなかで、神経を再配線する

僕がいま感じているのは、「マネジメントの再定義」の必要性。
これまでは「どう動かすか」が中心だったけど、これからは「どう共鳴するか」に軸を移したい。

・言い切らない
・相手の感情を聴く
・正解より、生成を優先する

これらは、僕にとって“慣れていない”対応です。だからこそ、うまくできないこともある。もどかしさもある。

でも、この「うまくできなさ」が、新しい関係性の回路を生んでくれる気がしてるんです。

これはまさに、アウレリウスの言う「道を塞ぐものが、道になる」だと思う。
いまの僕の“関わりの詰まり”は、次の関わり方を発明するための素材なんです。

ストレスに、名前を与える

最後に、こんなことを考えてみました。

これまで僕は、行き詰まりや不安を“ストレス”と呼んできた。
でももし、それを「神経の再配線」や「更新の摩擦」と呼んだら?

少しだけ、受け取り方が変わる気がしませんか?

名前を変えるだけで、現象の意味が変わることがある。
だから僕は、これからこう呼ぶことにします。

「生成の摩擦」

速さより、しなやかさへ。
力で動かすより、共に生成する。

そうやって一つひとつ、関係の在り方を再構築していく旅の途中に、僕はいまいます。

あなたの中にある「最近の摩擦」は、どんな再配線の入口かもしれませんか?

HOMEkeyboard_arrow_rightBLOGSkeyboard_arrow_right

ストレスは再配線の合図──人との関係を神経可塑性で読み解く